12月のクリスマスの時期になると
毎年思い出す事がある。
こちらの記事でも書いたが、
任意整理後に意図せず本社勤務となり
度重なる出張とスーツ購入等で常に
お金がなかった。
そんな中12月に入ると私の会社は
本社から店舗へ応援に行くのが恒例であった。
12月24日私は新潟のあるお店で
お客様対応の命令が下り
前泊して当日の応援に備えた。
駅から応援に入る店舗までは直線距離で
5Km程と頑張れば歩いていける距離だ。
駅の横が前泊するホテルだったので、
明日は歩いて店舗に向かおうと考えながら
フロントに向かった。
フロントで事前予約していた会社名を
伝えると受付の方が、「明日の朝は
タクシーで行かれますかよね?」
と確認してきた。
そんなお金は無いので、丁重にお断り
を入れると、「この辺は予約入れないと
早朝のタクシーはつかまりませんよ」
と念を押された。
(このフロント担当タクシー会社と
癒着でもしているのか?)
金が無いので絶対に頼めない。
5Kmも走ったら3千円位軽くいくだろ
という思いもあり改めて断った。
後日清算すればタクシー代は返ってくるが
いかんせん最初に払う金が無いのだ。
新幹線チケット、ホテル予約は会社の
システムで事前に現金やり取りなく
予約できるが、現地で実費が必要な
事態は本当に毎度困った。
任意整理中なので、クレジットカードも
作れない。 デビットカードを作ったが
口座に金が無いので使えない。
話が少し逸れたが、
前泊し翌日目を覚ますと
恐ろしい光景が広がっていた。
朝8時に店舗に到着するため、
徒歩を考慮し5時に目を覚ましたのだが
ホテルの窓から見える景色は一面雪に覆われ
道も足首が隠れる位雪が積もっていた。
後で知る事になるのだが、
昨日は融雪パイプからお湯が出ており
そのおかげで駅からホテルまでの
雪が解けていただけであった。
フロントの受付もこの事を知っており
タクシーを強く勧めたのだろう。
余裕をもって起きたはずが、
現在5時10分。
店舗までの5Kmの道のりを
歩くしかないので、急いで支度を
してホテルを出発した。
すると歩き始めて10歩も歩かない
うちに思いっきり尻から転んだ。
こんな事になるとは全く予想
しておらず革靴を履いていた。
歩幅を狭め歩くが何度も転んだ。
これ5km無理だと嘆いた。
しかし
こんな早朝にタクシーはおろか
街には人の気配もない。
なんとか歩を進めると
氷のような地面から雪が積もった道路
にたどり着いた。
新雪の上は歩きやすかったが、
今度は足に異変を感じた。
足に生暖かい水の感触があるのだ。
確かに雪を踏みながら歩いているので、
水っぽくなることは予想したが
生暖かい!!?
手で雪をどかしてみて謎が解けた。
しかもこのお湯は歩行者の事は
考えていない。
車の為に雪を解かそうとしているのは
明白で、私がこれから歩く所に
お構いなしでお湯が流れていた。
おかげで中古で買った革靴は
びちゃびちゃのグチャグチャ。
靴下まで濡れ、雪で冷やされ
店舗に着くころには足の感覚もなく
体力・気力も果ててしまった。
その後
応援中は店舗の長靴を貸してもらい、
休憩中に靴下を購入した。
夕方勤務時間が終了し、帰京の為
駅に向かうのだが、
帰りももちろん歩きだ。
お金があればタクシー乗れたのに。
本当に情けなかった。
クリスマスや数年に一度振る雪を
見るとこの思い出がよみがえる。
メリークリスマス