サラ金の任意整理により
毎月9万円と車のローン5万を支払い続ける中で、
春の異動で思いがけず本社勤務となった。
以前関わった新規事業の立ち上げのつながりで、
本社でその事業を管理する事になったのだ。
余談だが後に妻となる女性とも
今回の異動により再開した。
本社というと素敵なイメージを持っていたが
任意整理中の身としては非常に辛かった
まず本社勤務になると各地への出張が発生した。
この時は本当に金に困った。
なにせカツカツで日々生活している中で、
出張となれば交通費等立て替え清算を行わなければならない。
泊りの出張となれば同僚との夕食など出費も頭を悩ませた。
日当は支給されるが、
明らかに出張の度に日当より支出が上回る。
私は現地でのバス代が払えず、
街を見ていくと同僚に伝え10キロ以上の道のりを
歩いて駅に行った事がある。
現地集合の際にはホテルで自転車を借りて、
最寄り駅まで自転車を使ったこともあった。
その際は悔しくて情けなくて自分を恨んだ。
本社勤務の支出でもう一つ困った事は、
事務所ではスーツ勤務である事。
店舗の時は、スラックスにワイシャツこれだけで後は自由だった。
上司から「いつも同じスーツだな、革靴も一緒だ」と
指摘された際には、借金を打ち明けようかと思った。
しかし味方ではない者に対し真実を伝えても何の意味もない。
誰も頼れない。
結局古着屋で比較的きれいなスーツ、革靴を
購入した。
新品のスーツと同額で3セット用意できたのは
救いだった。
任意整理をする事、
それは金銭面で一切の甘えが出来ない事だ。
常に金がない状態に襲われる
事あるごとに現金が無い事実が無条件で襲ってくる。
まるでアリとキリギリスの童話だ。
金が欲しい!金が欲しい!金が欲しい!!
何度念じても現実に金は無い。
CIC、JICCのクレヒスに異動情報が載って
しまっているのだから
新規に借り入れもできない。
この頃任意整理後、
俗にいう【ブラック状態】から喪明けするのは
いつなのか何度も調べた。
『現金がなくなったら終了』
という状態から抜け出したかったからだ。
どんなに調べても最後に行きつく答えは決まっていた。
クレジットを滞納しているという事実
サラ金の任意整理が終わっても、
クレジットカードの滞納が続く限り
一生ブラック状態からは
抜け出せないという答えだった。
生活が苦しくなる。
つらい逃げたいでも出来ない。
まさに自業自得である。
大嫌いだった父親を思い出した。
父と同じ道を歩んでいるとの思いも重なり、
振り返ってみるとこの時期が一番つらかった。